【5月13日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は13日、拷問は世界で幅広く行われており、「テロとの戦い」や、拷問を美化する「24(トゥウェンティーフォー)」「HOMELAND/ホームランド(Homeland)」といったテレビドラマの影響でほとんど常態化していると警告した。

 拷問廃止を目指す新たな活動に着手したアムネスティは、1984年の国連(UN)総会で「拷問等禁止条約(UN Convention against Torture)」が採択されてから30年近くが経過しながら、拷問は依然として世界にまん延していると主張している。

 アムネスティによると、直近の5年間で拷問は141か国で確認されており、この中には拷問等禁止条約の批准国(全155か国)のうち79か国が含まれている。

 21か国の2万1000人を対象にした調査でも、回答者の44%が、当局に身柄を拘束されると虐待を受ける可能性があると答え、拷問が幅広く行われている実態が明らかになった。

 その一方で、回答者の3分の1は、場合によっては拷問は必要で、一般市民の保護につながる情報を得るためには許容できると答えている。

 カナダの民間調査会社グローブスキャン(GlobeScan)によると、拷問を支持する人の割合は国によって大きく異なり、中国とインドでは74%、ギリシャは12%、アルゼンチンが15%だった。

 拷問を恐れる人の割合が最も低かった英国でも、29%が拷問を支持した。この結果について、アムネスティの英国担当ディレクター、ケイト・アレン(Kate Allen)氏は暴力シーンの多いスパイ物などのドラマ人気に負うところが大きいとみている。

「『24』や『ホームランド』のようなサスペンスやアクションドラマでは、拷問が美化されている。だが、脚本家がドラマチックに描く拷問と、密室で政府の取調官によって行われる現実の拷問とは、雲泥の差がある」とアレン氏は指摘した。(c)AFP/Alice RITCHIE