「すまない」― 韓国沈没船、捜索ダイバーの手記公開
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ダイバーたちは、可能な限り早急に全ての遺体を収容するよう当局や遺族から求められ、非常に強いプレッシャーの中にいた。だが手記には、視界がほぼゼロの状況で遺体を捜索することの苦難が記されていた。
「懐中電灯はほぼ役に立たない」と5月4日の日記は述べている。ミスターBはパートナーとともに水深40メートルの船内にガイドロープを設置しようとしていた。
「視界は悪すぎで、目を閉じて手探りした方がましなくらいだ」
■難航する遺体引き揚げ
2日後の手記は遺体発見の瞬間について記している。何かにぶつかったのを感じ、それが客室内を漂う遺体の腕だと気づいたという。
遺体を確保したダイバーは命綱を引っ張って海上チームに引き揚げのサインを送る。
「(途中で)戸口に引っ掛かったので、引き上げを中止するようサインを送った。戸口を抜け、遺体をそっと自分の方に引き寄せた。それから浮上を再開した」
遺体を収容したミスターBは再び同じ客室に戻った。客船が急に傾いたとき、乗員はその場に留まるように乗客に指示し、多くの乗客がそれに従ったことを知っていたからだ。
しばらくは何も見つからなかったが、突然、寝台の下にかがみ込んだ姿勢の遺体に触れた。
「最初は腕に触れた。それから頭、そして胴体」
「空間がとても狭く、引っ張り出すのが難しかった。潜水可能時間が尽きようとしていた」
これまでの救助隊の犠牲者は1人。6日にダイバーが意識不明の状態で引き揚げられ、その後、病院で死亡が確認された。当局によると、負傷や減圧症で治療を受けた救助隊員は24人という。(c)AFP/Park Chan-Kyong