【4月28日 AFP】中国の動画ストリーミング配信ウェブサイトで、正式に放映権を得ている米国ドラマ4作品が突如、視聴できなくなった。国営紙・環球時報(Global Times)は28日、当局によるインターネット監視強化の前触れではないかと報じている。

 配信が中止されたのは、法廷ドラマ「グッド・ワイフ(The Good Wife)」、同「ザ・プラクティス(The Practice)」、コメディードラマ「ビッグバン・セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(The Big Bang Theory)」、犯罪捜査ドラマ「NCIS~ネイビー犯罪捜査班(NCIS)」の4作品。中国の3大ストリーミングサイト「tv.sohu.com」「youku.com」「v.qq.com」が中国での放映権を購入して配信していたという。

 いずれの作品にも、中国当局が不適切として検閲の対象とするような行き過ぎた政治的・性的描写はなく、配信中止の理由は不明だ。

 環球時報によれば、中国では米英のテレビドラマの人気が急上昇中で、海外ドラマの輸入は一大ビジネスとなっている。同紙は映画・ドラマ評論家のベ・チェンゴン(Be Chenggong)氏の話として、「当局がネット監視を強化しつつある可能性がある」と伝えた。ちなみに、4作品とも無許可サイトで簡単に視聴できるという。

 それでも視聴者らの不満は収まらないようだ。中国の人気マイクロブログ「新浪微博(Sina Weibo)」のあるユーザーは、中国人が米国や日本、韓国のドラマを見たがるのは国内にまともなドラマがないからだと苦言を呈した。

 別の投稿者は、中国でよく放映される日中戦争中の中国人の英雄的行為を誇張した抗日ドラマなどの国産ドラマに対し「こんなくだらないストーリー展開が、今も受け入れられると思っているのか」と不満をぶつけている。

 また、「いったい『ビッグバンセオリー』の何が問題になるというんだ」との投稿もあった。(c)AFP