【4月28日 AFP】北朝鮮は27日、韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領を、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領という「ぽん引き」に隷属させられた「売春婦」と呼び、朴氏に対する容赦ない個人攻撃を行った。

 祖国平和統一委員会(Committee for the Peaceful Reunification of Korea)が発表した今回の声明には、挑発的な文言を常套句とする北朝鮮の基準に照らし合わせてもかなり辛辣な表現が用いられている。

 同委員会は、米韓関係を「主人とその操り人形」と呼び、「朴槿恵大統領は、北朝鮮が差し出した統一と平和への機会を放棄したことで大きな代償を払うことになるだろう」と警告した。

 また、「オバマ大統領に対する朴大統領の最近の態度は、気に入らない人間をたたきのめしてくれとチンピラに懇願する、意地が悪くて未熟な小娘のようだ」「あるいは、力を持つぽん引きに体を差し出すことで他人を陥れようとする狡猾な売春婦だ」と批判。この声明を伝えた国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)の公式英語版では、朴大統領は「capricious whore(気まぐれな売春婦)」と呼ばれている。

 朴大統領に対する北朝鮮の辛辣なコメントは、オバマ大統領が2日間の訪韓を終えた翌日に発表された。オバマ大統領は韓国滞在中、北朝鮮を「つまはじき国家」と呼び、懸念されている4度目の核実験を実行すれば、さらなる孤立を招くと警告していた。

 祖国平和統一委員会の声明の英語訳ではさらに、朴大統領について「卑しい、おべっか使いの裏切り者という卑劣な本性を露わにした。米国の汚い慰安婦であり、自国を売るあくどい売春婦だ」と非難した。

 朴大統領を「慰安婦」と呼んだことは、旧日本軍の慰安婦問題が日韓関係を悪化させる大きな要因となっていることを鑑みると、韓国内から激しい反発が起きることは必至とみられる。

 オバマ大統領の訪韓に関しても、「古くからの敵である米国と対峙する唯一の手段は言葉ではなく力だという、われわれの信念を再確認したにすぎない」と述べ、「全面核戦争を戦う政策を貫く信念と決意を強固にした」と語っている。(c)AFP/Huw GRIFFITH