【4月15日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は14日、緊張が高まるウクライナ情勢についてウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領と電話で会談し、ロシア政府の支援を受けているとされる武装グループがウクライナからの分離を求めウクライナ新政権の不安定化を招いていることに「大きな憂慮」を示した。

 電話会談はロシア側からの要請で行われた。ホワイトハウス(White House)によるとオバマ大統領は、ウクライナ東部の政府関連施設を占拠している親ロシア派グループが武器を放棄して退去するよう、プーチン大統領に影響力を駆使するよう求めた。

 またオバマ大統領は、外交による解決はまだ可能だとしたうえで、そのためにはロシアがウクライナとの国境付近に展開する軍を撤退させ、ウクライナ国内の親ロシア派が武器を放棄し、露高官らが危機をあおるような発言をすることをやめる必要があると強調した。

 一方ロシア政府は、この電話会談でプーチン大統領がオバマ大統領に対し、ウクライナ問題にロシアが介入しているとの非難は「事実無根」だと主張したことを明らかにした。

■ロシア軍戦闘機が米駆逐艦に接近

 冷戦(Cold War)後で最悪とされる東西の緊張が高まる中、米国防総省のスティーブン・ウォレン(Steven Warren)報道官は14日、ロシア軍のスホイ24(Su-24)戦闘機が12日に黒海(Black Sea)の公海上に展開している米ミサイル駆逐艦ドナルド・クック(USS Donald Cook)の近くを約1時間半にわたって繰り返し高速で低空飛行したと発表した。

 ウォレン報道官によると、スホイ24は武装していなかったとみられ、ドナルド・クックからの照会や警告に応答しなかったという。(c)AFP