【4月11日 AFP】ドイツでは、電車や飛行機よりも運賃が安く、自分で車を運転するよりリラックスできる長距離バスを移動手段として選ぶ人が増えている。

 参入規制が緩和された昨年1月以降、多くの企業が長距離バス事業に参入。黄色や青りんご色、エレクトリック・ブルーといった派手な色の真新しい長距離バスが欧州最大の人口を抱えるドイツの各地を走り、乗客や市場シェアの獲得に向けてしのぎを削っている。新規参入組は利用者を集めようと快適な座席やWi-Fiによるインターネット接続サービス、場合によってはコーヒーの無料サービスを提供することもある。

 規制緩和前は、ドイツで長距離バスを運行するのはドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の子会社など数社に限られ、路線も1990年の東西ドイツの統一の前から西ベルリンと旧西ドイツ各地を結んでいたものが中心だった。ドイツ鉄道を保護するためだ。

 規制緩和後は、運行距離が50キロメートル以上で停留所間の所要時間が1時間以上ならば、企業が長距離バスの運行に参入できるようになった。ドイツ運輸省のデータによると、規制緩和から1年もしないうちに長距離バス路線は従来のほぼ3倍の221路線に増えた。