【4月3日 AFP】マレーシアのボルネオ(Borneo)島で2日夜、ダイビング客に人気のリゾートホテルに武装した6人組の男が押し入り、中国人観光客とフィリピン人従業員の計2人が連れ去られる事件が起きた。地元紙スター(The Star)が3日、報じた。

 同紙によると、連れ去られた2人はいずれも女性。2日午後10時半(日本時間同11時半)ごろ、ボルネオ島サバ(Sabah)州東部センポルナ(Semporna)沖にある洋上ホテル「シンガマタ・リーフ・リゾート(Singamata Reef Resort)」 に6人組の武装グループが押し入り、その際に連れ去られたとみられる。

 武装グループは警察が到着する数分前に逃走し、その後、2人が行方不明になっていることにホテル側が気付いたという。

 行方が分からなくなっている中国人女性(29)は上海(Shanghai)出身で、約60人の中国からの観光客の1人だった。ホテルの自室にいるところを拉致され、ボートに乗せられたとみられるという。

 折しも、中国とマレーシアの間では、マレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便が消息を絶った事故をめぐり緊張が高まっている。また、ボルネオ島では昨年2月、サバ州の農村に同州の領有を主張する200人以上のフィリピン人のイスラム教系武装集団が1か月近く立てこもり、多数の死者が出た事件が起きており、2日の事件は同州における治安悪化への懸念をさらに強めている。(c)AFP