【3月12日 AFP】消息を絶ってから4日がたったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便について、マレーシア当局による発表内容の矛盾や、対応の遅さ、情報の欠如などに対する批判が上がっている。

 専門家らは、こうした大規模な危機的状況の際に効果的な広報活動を行うことができない当局の「無能さ」は痛ましいほど明らかだと述べている。

 MH370便の捜索範囲は当初から大きく変わっており、マレーシア航空と政府は、日増しに高まる明確な説明への要求と、対応のもたつきに対する非難に直面している。

「これほどの規模のことを彼らは経験したことがない。事の大きさを把握することも彼らにとってはいささか難しい」と米格付け会社大手スタンダード&プアーズ(S&P)の調査部門「キャピタル・アイキュー(Capital IQ)」のシュコア・ユソフ(Shukor Yusof)氏は指摘する。

 同便が消息を絶って以来、マレーシア航空は報道陣に対し、乗員乗客名簿や捜索活動の詳細などについて、10回を超える発表を行い、家族にも支援を申し出ている。一方の当局も、定例会見を行っている。

 しかしユソフ氏は、時にマレーシア当局は「耳障り」で「軽率」に見え、一方、危機対応に関するスタッフの訓練不足を露呈したマレーシア航空の幹部たちは「反省に欠けている」と非難する。

 12日には、捜索範囲を北西方向のアンダマン海(Andaman Sea)に拡大したことをマレーシア当局が認めたことに対し、ソーシャルメディア上での批判が爆発した。あるツイッター(Twitter)ユーザーは「なぜ未確認情報がこんなにも多いのか。もう何が本物の情報なのか分からない」と投稿した。

 MH370便に搭乗していた乗員乗客239人のうち、153人が自国民だった中国も、マレーシアの情報不足を批判。乗客の親族らも、自分たちへの連絡が滞っているとして、マレーシア航空を非難している。