【3月9日 AFP】乗客乗員239人を乗せてマレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)から中国の北京(Beijing)に向かっていたマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便が消息を絶った件で、マレーシア当局は9日、テロの可能性を視野に入れて捜査を開始したことを明らかにした。

 マレーシアのヒシャムディン・フセイン(Hishammuddin Hussein)運輸相代理は記者団に対し、「わが国の情報機関が活動を始めたのと同時に、関係国のテロ対策部門にも通知した」と述べた。

 MH370便のボーイング(Boeing)777型機は8日未明、マレーシア東岸とベトナム南部の間の海上でレーダーから姿を消した。機体は依然として発見されておらず、マレーシア航空は「最悪の事態」への懸念を表明している。

 マレーシア政府が搭乗者4人について調べを進めていると公表したことから、保安面で問題があったのではないかとの不安が高まった。

 搭乗名簿に載っていたオーストリア人のクリスチャン・コゼル(Christian Kozel)さん(30)とイタリア人のルイージ・マラルディ(Luigi Maraldi)さん(37)の2人については、過去に盗まれたパスポートが何者かに悪用された可能性が当局や報道によって指摘されている。2人は実際にはMH370便に乗っていなかったことが確認されており、コゼルさんは2012年、マラルディさんは昨年、いずれもタイでパスポート盗難に遭っていた。

 米メディアによると、米連邦捜査局(FBI)は捜査を支援するため、捜査官と技術面の専門家を派遣する。複数の米当局者は米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に対し、MH370便が消息を絶ったことがテロに関連があるのか調べていると明らかにしたが、テロとのつながりを裏付ける証拠は今のところないと強調した。(c)AFP/Julia ZAPPEI