【3月6日 AFP】生後数時間以内にヒト免疫不全ウイルス(HIV)の治療が施された赤ちゃんが、1年後の検査でも陽性の結果が出ていないとの報告が5日、レトロウイルスと日和見感染症会議(Conference on Retroviruses and Opportunistic InfectionsCROI)で発表された。早期治療の効果を示す2例目の事例となる。

 報告によると、今回採られた治療方法は、21か月間にわたって治療が行われていないものの、検査で陽性結果が出ていない米ミシシッピ(Mississippi)州の赤ちゃんに対して行われた治療を模したものだという。

■生後4時間目に抗レトロウイルス薬投与

 2人の女児に対する最新の研究結果は、米ボストン(Boston)で開かれた年次会議CROIで発表された。

 最新の研究は、HIVに感染したロサンゼルス(Los Angeles)在住の母親から生まれた赤ちゃんに対する治療法をめぐってのもので、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los AngelesUCLA)デビッド・ゲフィン医学部(David Geffen School of Medicine)の小児感染症主任のイボンヌ・ブライソン(Yvonne Bryson)氏が説明した。

 ブライソン氏によると、赤ちゃんが生まれたロングビーチ・ミラー小児病院(Miller Children's Hospital Long Beach)では、誕生直後にHIV検査が行われ、検査結果が判明する前に治療級の抗レトロウイルス薬を高レベルで投与されたという。「検査結果が出るには数日かかるため、結果が出る前に治療を始めるという方法だ」とブライソン氏はAFPの電話取材に語った。

 治療は、ミシシッピの赤ちゃんよりも早期の生後4時間目に開始された。後刻、赤ちゃんがHIV陽性であることを示す検査結果が出た。だが生後6日には、ウイルスは検出されなくなった。