【2月25日 AFP】オーストラリア北部クイーンズランド(Queensland)州ボーエン(Bowen)で、巨大なマンゴーのオブジェが盗まれた事件の真相が25日に明らかにされ、ファストフード店による、手の込んだ広報活動の一環だったことが分かった。

 ボーエンの名産であるマンゴーを模して制作された、高さ10メートル、重さ7トンにもなる巨大オブジェ「ビッグマンゴー(Big Mango)」が24日に消えたこの事件は、世界で大きく報道され、交流サイト(SNS)の「フェイスブック(Facebook)」には、捜索を応援するページまで登場した。

 ところが、チキン料理のファストフード・チェーン「ナンドス(Nando's)」がビッグマンゴーを「借用」したと同社のウェイブサイト上で発表した。

 ナンドスは、大きな注目を集めたビッグマンゴーの失踪に関与したことを認めた上で、素晴らしいマンゴーを「借りた」ことについて、ボーエンの人々があまり深く考えず理解を示してくれることに感謝したいと述べている。また、このいたずらの理由を近いうちに明かすとともに、ビッグマンゴーを元の場所に戻すと表明した。

 観光客誘致を目当てにオーストラリア全土150か所以上に建てられた「巨大なもの(Big Things)」シリーズの1つとして2002年に完成したこのオブジェは、重機とクレーンを使うという大胆な手口で窃盗団が「収穫」したとみられていたが、警察が捜査に動かなかったことから疑念が持ち上がっていた。

 オーストラリア中にある「巨大なもの」シリーズのオブジェには、果物では「ビッグ・バナナ」「ビッグ・パイナップル」「ビッグ・ストロベリー」に加えて複数の「ビッグ・アップル」と「ビッグ・オレンジ」がある。またその他、巨大な魚、巨大ロブスター、巨大ペンギン、巨大カンガルー、巨大コアラ、巨大ワインだるなどもある。(c)AFP