【2月11日 AFP】フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)が座っていた200年前の折り畳み椅子を展示していたフランスの美術館で、その椅子に座ってみたいという誘惑にあらがえなかった館員が苦境に立たされている。

 映画監督のディレクターズチェアに似た赤い革張りの椅子は、仏皇帝が数々の遠征時に使用したもの。ナポレオンの出身地、仏コルシカ(Corsica)島アジャクシオ(Ajaccio)にある美術館の関係者は10日、この椅子の表面の革と木製の構造部が破損したことを認めた。

 椅子が破損したのは6日だったが公表されず、グルノーブル(Grenoble)から急きょやってきた修復専門家を追っていた複数の地元紙が暴露した。

 同美術館の学芸員によると、椅子はかなり良く修復されたが、見栄えは以前より劣るという。問題の館員は懲戒委員会にかけられる。

 椅子は、同美術館が13日から3か月間の予定で開催する企画展の展示物の1つ。ナポレオンが使用した家具や遠征の際に使用した現存する最後のテントが展示される。(c)AFP