【12月14日 AFP】米海軍のイージス巡洋艦「カウペンス(USS Cowpens)」が今月5日、南シナ海(South China Sea)の公海を航行中に中国の軍艦と接近し、衝突を避けるため緊急回避行動を取っていたことが分かった。複数の米国防当局者が13日、明らかにした。

 匿名を条件に取材に応じた米国防当局者は電子メールで、中国艦はカウペンスの前方を横切る形で接近し、停船したと明らかにした。停船した時点で2隻の間隔は500ヤード(約460メートル)以下だったという。

 最終的には「双方の艦橋にいた乗組員同士で意思の疎通が成立し、互いに双方が安全に通過できるように船を動かした」という。近くには中国初の空母「遼寧(Liaoning)」が航行していた。

 平和的に解決されたものの今回の一件は、中国が先月東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定したことによって米中間の緊張が高まっていることを改めて印象付けた。(c)AFP