【12月5日 AFP】英国が来年から、中国にブタの精液を輸出することが決まった。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相の3日間の訪中を機に両国が合意に達した。中国では食肉の需要が拡大しており、これを英国農業の主力である養豚農家の増益につなげようとの狙いがある。

 輸出するのは、イングランド(England)と北アイルランド(Northern Ireland)の4か所の人工受精センターで採取されたブタの新鮮精液と凍結精液。英首相官邸では4500万ポンド(約75億円)相当の経済効果を見込んでいる。

 ただし英環境・食料・農業省によれば、この金額には生きたブタの輸出も含まれているという。

 オーウェン・パターソン(Owen Paterson)環境・食料・農業相は声明で、今回の訪中では「英国では廃棄されてしまうことが多いが、中国では珍味とされている豚足」の対中輸出契約も締結したと発表。豚足輸出はそれだけで750万ポンド(約12億5000万円)の市場価値があると述べた。

 英中関係は、2012年にキャメロン首相がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世と会談したことを受けて一時冷え込んでいた。キャメロン首相の今回の訪中には関係改善を図る狙いがあったとみられ、首相には100人以上の財界人が同行していた。(c)AFP