【12月5日 AFP】スペインで発見された人類の大腿骨から、これまでとしては最古の例となるDNAの解読に成功したとの研究論文が4日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。解読の結果、この骨は約40万年前の人類のものであることが分かった。

 この研究結果により、人間の遺伝子に関する知識が約30万年さかのぼるだけでなく、人間の進化が予想以上に複雑な過程をたどったことを示す証拠となるかもしれない。

 この人骨は、スペイン北部の高地シエラ・デ・アタプエルカ(Sierra de Atapuerca)にある洞窟「シマ・デ・ロス・ウエソス(Sima de los Huesos)」で発見されたものだ。この洞窟からはこれまで、28体の人骨が発見されており、当時の埋葬地と考えられている。

 研究に参加した独ライプチヒ(Leipzig)にあるマックス・プランク進化人類学研究所(Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology)のスバンテ・ペーボ(Svante Paabo)氏は、「この成果により、我々は今や、数十万年前の人類の祖先から採取したDNAさえも調査できることが証明された」と述べている。(c)AFP/Mariette LE ROUX