【11月24日 AFP】英国で女性器の整形手術を受ける10代の少女や女性が増えている状況について15日、英国王立産婦人科学会(Royal College of Obstetricians and GynaecologistsRCOG)が警告を発した。

 RCOGによれば、英国民保健サービス(National Health ServiceNHS)で2010年に実施された小陰唇を縮小する手術「ラビアプラスティー」は2000件以上で、10年間で5倍に増えた。

 RCOG倫理委員のサラ・クレイトン(Sarah Creighton)教授は、「(定期的なデータ収集が行われていない)民間医療サービスで行われている件数と比べればNHSでの実施件数は氷山の一角だろう」と述べている。この増加傾向を説明できるような疾患の増加は過去10年間でみられていないため、クレイトン教授は、女性器の外見に関する誤解が原因ではないかと推測している。RCOG倫理委員で哲学者のトーマス・ボールドウィン(Thomas Baldwin)氏は、「ポルノグラフィーで見られるような『整った』形の女性器が普通だという誤った認識が起きている」と述べている。

 新たな論文で委員会は、10代の少女が必要のない手術を受けることに特に懸念を表明している。女性器整形術は、英国では違法とされている女性器切除と解剖学的に類似したものであることが多い。また小陰唇縮小術の長期的リスクに関するデータ、中でも性感や性的機能への影響に関するデータは非常に少ない。

 こうした点から専門家たちは、外性器の発達が不十分な18歳未満の少女に女性器整形術を行わないことを推奨するとともに、医学的な必要がない限りNHSで女性器整形術を行うべきではないと勧告している。

 RCOG倫理委員会のスージー・レザー(Suzi Leather)委員長は「われわれの勧告が採用され、多くの女性や少女が、自分はまったく正常であり、手術は必要ないと納得できる一助となることを願っている」と述べた。(c)AFP