【11月2日 AFP】激しい交通渋滞で知られるインドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)では、マイクロブログのツイッター(Twitter)を利用して渋滞情報を共有したり、相乗り通勤の相手を探す人が増えている。

 市場調査会社フロスト・アンド・サリバン(Frost and Sullivan)の2011年のデータによると、通勤の際に世界で最も不快な都市はジャカルタだった。車やバイクでの通勤に最大5時間かかることも珍しくない。

 一方、ジャカルタはツイート数の多さでも世界一だ。こうした面に注目し、ジャカルタの交通渋滞解消を目指すオンラインツール開発を先駆けたのが、IT起業家のヘンドリー・ソエリスティヨ(Hendry Soelistyo)氏だ。同氏は4年前、ウェブサイト「レワットマナ」(lewatmana.com)を立ち上げ、ツイッター公式アカウントを設けて通勤者が交通情報をリアルタイムで共有できるようにした。同氏はAFPに「インドネシア人はフェイスブック(Facebook)やツイッターで絶えず情報を更新する。だから交通渋滞の情報も共有したらどうかと考えた」と話した。

 レワットマナでは渋滞情報の他、豪雨で冠水した道路や頻発するデモの影響が出ている地域などついても情報を提供する。情報源はユーザーからの投稿や、市内に設置されたカメラ100台から送信される映像。このサービスは大成功で、1か月のツイート数は1万4000件、フォロワー数は20万人前後に上っている。

 ツイッターを利用した渋滞対策には「Nebengers」(ヒッチハイカーの意味)と呼ばれる相乗りコニュニティーもある。システムの考案者、アンドレアス・アディタヤ・スワスティ(Andreas Aditya Swasti)氏は「Nebengersは仮想の自動車ターミナルのようなもの。人の車に乗せてもらって通学、通勤できる」と説明した。同乗者を募る人は出発2時間前に情報を公開することになっている。

 インドネシアでは見知らぬ人を車に乗せることはまれだが、Nebengersの公式ツイッターのフォロワー数は4000人前後、実際のサービス利用者は400人を超える。

 日本の国際協力機構(Japan International Cooperation AgencyJICA)によると、2000~2010年までの10年間で、ジャカルタのバイク交通量は4.6倍に、車は1.6倍にそれぞれ増えたという。(c)AFP/Olivia Rondonuwu