【10月21日 AFP】仏紙ルモンド(Le Monde)電子版は21日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)がフランス国内で、一般市民の通話7000万件を極秘裏に記録していたと報じた。米当局に訴追された米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者から入手した機密文書に基づく情報という。

 ルモンドによると、NSAは2012年12月10日~13年1月8日の30日間に、フランス国内の通話7030万件を記録していた。コード名「US-985D」と呼ばれる計画の下、仏国内の特定の電話番号からの通信を自動的に収集していたほか、テキストメッセージも記録していたという。

 ルモンド紙は、入手した資料によればNSAはテロに関与している疑いのある人物のみならず、実業界や政界の重要人物をも標的にしていたとみられると指摘している。米当局は同紙の取材に、「機密扱いの」文書についてはコメントできないと述べたという。

 マニュエル・バルス(Manuel Valls)仏内相は21日、仏ラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)のインタビューに応じ、ルモンド紙の報道に「衝撃を受けた」と語るとともに、米当局に説明を求めたことを明らかにした。

 これに先立ちドイツのニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、NSAがメキシコのフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)前大統領の電子メールをハッキングしたと報道。メキシコ政府は米当局に説明を求めている。(c)AFP