【10月21日 AFP】中国東北部、黒竜江(Heilongjiang)省ハルビン(Harbin)では21日、大気汚染物質の濃いスモッグが一面を覆い、視界が10メートルほどになった。

 国営の中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)が放映したハルビン市内からの映像には、灰色がかった茶色いスモッグが画面いっぱいに広がり、かすかに判別できる形や色合いから、道路や自動車、交通信号機がそこにあるように見られた。

 国営の新華社(Xinhua)通信によると、地元交通当局は、信号を視認することができずに赤信号で交差点に進入した運転手を「罰則の対象外にする」としている。

 ハルビン中心街の観測地点では、健康に深刻な影響を及ぼすとされる大気汚染物質の「PM2.5(微小粒子状物質)」の濃度が1立方メートルあたり900マイクログラムに達した。この濃度は、世界保健機関(World Health OrganisationWHO)の指針値の40倍近い値だ。

 また、大気の汚染度を示す大気質指数(Air Quality IndexAQI)は最高値の500を上回り、「計測上限超え」となった。

 ハルビンでは小学校が休校となった。長距離バスが運休し、高速道路も通行止めになっているが、報道によると依然として交通事故が相次いでいるという。(c)AFP