【10月6日 AFP】イタリア沖で3日に発生した500人近くのアフリカ難民を乗せた船が出火後に沈没した事故で、当局は5日、救助活動が遅れたとの指摘を否定した。

 現場となったランペドゥーザ(Lampedusa)島付近の捜索は、荒波のため5日の時点で中断している。これまでに収容された111人の遺体は地元の空港の巨大な格納庫に安置されており、関係者によると、生存者らは遺体を祖国エリトリアに送ることを希望しているという。救助された生存者の収容施設が過密状態になっていることも物議を醸している。

 一方、沿岸警備隊の報道官は、この事故を最初に目撃した観光客が、救助活動の開始が大幅に遅れ、しかも非常に手際が悪かったと話したことについて、「ばかげた」話だとして否定した。この事故では、なぜレーダーが難民船を探知しなかったのかという疑問も出ている。

 救助活動に当たっているダイバーらによると、「数十、あるいは数百」の遺体が、海底に沈んだ難民船の船内とその付近に取り残されており、犠牲者は300人を超える恐れがあるとみられている。救助された生存者は155人で、その中には11歳の子供もいる。(c)AFP/Ella Ide