【8月14日 AFP】世界で最も利用者の多い空港の1つ、シカゴ(Chicago)のオヘア国際空港(O'Hare International Airport)はこのほど、施設周辺の雑草対策のため、ミニヤギにヒツジ、ロバ、そしてラマを採用した。動物たちは空港業務に支障を来す、あるいは危険となるものを排除するために働く。

 ミニヤギ14匹、ヒツジ6匹、ラマ3匹、ロバ3匹が放たれたのは、フェンスで4区画に仕切られた合計48ヘクタールのエリア。このエリアには、向こう数か月間の餌になる草が十分生えているという。

 ラマは、空港周辺の雑木林に生息するコヨーテから、ヒツジやミニヤギを守ることができるとされ、また体が大きく、気性がそこそこ荒いロバも捕食動物を遠ざけるのに有用だという。

 空港の職員は13日、伸びた雑草は見た目に汚らしいだけでなく、小型のげっ歯動物にとっての格好の繁殖地となるため、それらを餌とするタカなどの猛禽類が集まってしまうと説明し、「鳥類と飛行機は互いに相容れないもの」と述べた。

■期待される費用対効果は?

 シカゴはかつて、オヘア空港の周辺の土地約3200ヘクタールの整備に除草剤や原動機付きの草刈り機を使用していた。しかし、駐機場や滑走路から離れた岩の多い丘陵地での草刈り作業は難しく、市が所有する高価な機械を破損してしまう可能性もあった。また、作業効率の悪い大変な作業である上、空港業務の妨げになる野生動物を完全に遠ざけることもできずにいた。

 こうしたことを背景に、シカゴはシアトル(Seattle)やサンフランシスコ(San Francisco)、アトランタ(Atlanta)の空港の例に倣って、「昔ながらのやり方」を採用する決断を下した。

 空港当局は今後、草がどのくらいの期間で減少するかを見極め、この方法の有効性が確認でき次第、順次運用するエリアを広げるとともに、扱う動物の数も増やす予定だ。(c)AFP/Mira OBERMAN