【8月16日 AFP】未成年期の飲酒と薬物乱用が、若年性認知症(65歳未満の認知症、YOD)発症の確率を高める可能性があるとする論文が、13日の米医学誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)」に掲載された。

 論文を発表したのはスウェーデンのウメオ大学(Umeaa University)のペテル・ノルドストローム(Peter Nordstroem)教授(老年医学)率いる研究チーム。1969年9月から1979年12月の期間に、平均年齢18歳で兵役に就いたスウェーデン人男性48万8484人を対象に研究を行った。その結果、若年性認知症発症の9つのリスク要因が特定され、最大のリスク要因はアルコールの乱用だったことが明らかになった。

 論文によると、兵役後37年間の追跡調査を実施したところ、年齢中央値54歳で487人がYODと診断されていた。またYOD発症例のうち68%が、9つのリスク要因のうち少なくとも1つに関連づけられた。ノルドストローム教授はスウェーデンラジオ(Swedish Radio)で、「あるアルコール中毒の事例はリスクを5倍に高めていた」と語った。

 その他のリスク要因には、脳卒中、薬物乱用、うつ病、父親が認知症、低身長、高血圧などが挙げられている。

■正確な要因は不明、リスク要因避けて健康な生活を

 アルツハイマー病協会(Alzheimer's Association)によると、若年性認知症はまれで、認知症全体の4%ほどだという。遺伝子変異で発症する事例もあるものの、正確な要因は分かっていない。

 ノルドストローム教授はAFPの取材で、YODと診断されていた487人のうち何人がYODを発症させる遺伝子変異のキャリアだったのかは分からないが、「その数は極めて少ないだろう」と述べている。また、研究結果を見る限り、健康なライフスタイルでYODの発症リスクは低減されるだろうとの見解を示した。(c)AFP