【11月12日 AFP】米アップル(Apple)が10月、スイス連邦鉄道(SBB)の駅で使用されている有名な時計のデザインを利用するため、同鉄道に2000万スイスフラン(約17億円)のライセンス料を支払ったと、スイスの日刊紙(電子版)が10日報じた。この時計のデザインをめぐっては、アップルが無断で新OSに採用したとして、SBBが問題視していた。

 スイス紙ターゲス・アンツァイガー(Tages-Anzeiger)が複数の匿名情報筋の話として報じたところによると、アップルは10月、同社のタブレット端末「iPad」やスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」で今後もSBBの時計デザインを使い続けるために、一括で2000万スイスフランを支払ったという。

■9月時点では「アップルの説明聞きたい」とSBB側

 今回の報道について10日、SBB側に取材を申し込んだところ、SBB側は拒否した。

 だが、SBB広報担当者は9月にAFPの取材に対し、アップルが「iOS 6」になってなぜSBBの有名なデザインを使うようになったのか話を聞くために、これからアップル側と会合を持つところだと話していた。

 同広報は当時、デザインの使用料を要求することよりも、アップルがそのロゴを使うようになった経緯をはっきりさせたいと語り、「アップルのような重要ブランドがわが社のデザインを使っていることは、むしろ誇りに感じる」と述べていた。

 SBBの時計は1944年に同社エンジニアのハンス・フィルフィカー(Hans Hilfiker)氏によりデザインされたもので、SBBの駅では今もこの時計が使用されている。(c)AFP