【10月7日 AFP】韓国南東部の都市、亀尾(クミ、Gumi)で先月末にフッ化水素酸が漏出する事故が発生し、6日現在も近隣の住民が避難を余儀なくされる事態となっている。

 亀尾の化学薬品メーカー「ヒューブグローバル(Hube Global)」の工場では9月27日、爆発が発生し5人が死亡した。この爆発により8トンにもおよぶフッ化水素酸が漏出し、保健当局によると、これまで地元住民や消防士など600人以上が治療を受けた。

 6日に高齢者約70人が近隣地域に避難した鳳山(Bongsan)村のパク・ミュンソク(Park Myung-seok)村長は、「我々は健康上のリスクを回避するために、この村から脱出することに決めた」と述べ、地方自治体が適切な避難所を提供すべきだと記者団に語った。村には約300人が住んでおり、亀尾の災害管理事務所は、残りの住民は段階的に避難するとしている。聯合(Yonhap)ニュースによると、近隣の村の住民も避難を希望しているという。

 治療を受けた数百人は吐き気、胸の痛み、発疹、目の痛み、喉の痛みを訴えたほか、そのうち数人は唾液に血液が混じっていた。現地では被害状況を確認するため、26人の専門家や政府関係者からなるチームが5日から3日間におよぶ調査を行っている。

 聯合ニュースは、周辺では90ヘクタール以上の土地で作物が枯れているうえ、約1300頭の家畜が風邪のような症状を呈していると報じている。

 政府は、被害を受けた地域を被災地として指定し、住民に経済的援助、減税、補償の対象とすることを検討している。(c)AFP