【9月28日 AFP】2016年リオデジャネイロ五輪組織委員会のカルロス・アルトゥール・ヌズマン(Carlos Arthur Nuzman)会長は27日、ロンドン五輪のコンピューターから職員がファイルを盗んだ事件について言及し、問題を深刻なものと考えていないことを明かした。

 リオ五輪組織委員会は、ロンドン五輪とパラリンピックの期間中に内部文書を無許可で入手したとして、現地で運営に参加していた同委員会の職員10名を9月21日付で解雇処分にしていた。

 この日行われた記者会見でヌズマン会長が読み上げたロンドン五輪組織委員会(London Organising Committee for the GamesLOCOG)の幹部、ポール・ダイトン(Paul Deighton)氏からの書簡によると、「ロンドン五輪およびパラリンピックに関する文書の違法コピーが発覚したが、深刻的な危機管理の問題には発展しておらず、個人情報も流出していない」とされている。

 ダイトン氏は、書簡で今回の問題がリオ五輪組織委員会との関係に影響を及ぼすことはないとの見解を示しており、「文書はすべて回収した。今回の一件で私たちとリオ五輪組織委が築いてきた関係が崩れることはない」とコメントしている。

 これを受けてヌズマン会長は、事件に関して一切の責任を感じていないことを明らかにし、「私たちは何が起きたかを早急に明らかにした。解雇処分は彼らの行為に対して必要な措置だったと考えている」と語った。

 またリオ五輪組織委員会は、大会期間中に約200名の職員をロンドン(London)に派遣しているが、窃盗事件には関わっていないと主張している。

 事件発覚後、ロンドン五輪組織委員会のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、ヌズマン会長と電話会談を行い、早急な対応を求めていた。

 一方、ブラジルのスポーツジャーナリストでコメンテーターのジュカ・クフォウリ(Juca Kfouri)氏は自身のブログで、盗まれた書類には五輪の戦略策定やセキュリティーに関する国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の情報が含まれていたと述べている。(c)AFP