【3月12日 AFP】(一部更新)シリア治安部隊と反体制派の激しい戦闘が続く同国中部ホムス(Homs)で、のどを切られるなどした女性や子ども47人の遺体が見つかったと、反体制派が12日明らかにした。

 ホムスからAFPの取材に応じたシリア人活動家のハディ・アブドラ(Hadi Abdallah)氏によると、市内のKarm el-Zaytoun地区とAl-Adawiyeh地区で「大虐殺」があり、その後、のどをかき切られたり刺されたりした女性21人、子ども26人の遺体が見つかったという。

 「頭を鈍器で殴られた子どもの遺体もあった。ある少女の遺体はバラバラに切断されていた。殺される前に性的暴行を加えられた女性の遺体もあった」(アブドラ氏)

 一方、英国に拠点を置く「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表は、この「虐殺」を受け、11日夜から12日朝にかけて「数百家族がホムスを逃げ出した。多くはKarm el-Zaytoun地区に住む人々で、(アサド)政権の部隊による新たな虐殺を恐れたためだ」と述べた。

 反体制派の全国組織「シリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)」は、11日に「大虐殺」が起きたとして、この件について協議する国連安全保障理事会(UN Security Council)緊急会合の招集を要求。さらに、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を支援する国にもアサド政権の行った「犯罪」に対する責任があるとの表現で、ロシアと中国を非難した。

 シリア国営テレビは見つかった遺体について、「武装したテロリスト集団」がシリア軍を貶めるためにホムス住民を誘拐して殺害し、遺体の動画を撮影したと報じている。(c)AFP