【6月21日 AFP】ハンモックの揺れによって入眠が早くなり、睡眠の質も高まると示唆する研究結果を、スイスとフランスの科学者チームが20日、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表した。

 研究では普段は昼寝をしない成人男性12人のボランティアに、普通のベッドとロッキングベッドの上で昼寝をしてもらい、睡眠中の脳の活動や目、筋肉の動きを調べた。女性は月経周期が脳波に影響を与えるため、この実験には参加しなかった。

 ボランティア12人のうち有効なデータが得られた10人はいずれも、普通のベッドよりもハンモックで寝たほうが、眠りの入りが早かった。

 被験者は実験で45分間の昼寝をしたが、ロッキングベッドで寝た場合のほうが眠りも深かった上、通常、睡眠の半分程度を占めるとされ、眼球の速い運動がみられなくなる「N2」と呼ばれる中程度の睡眠段階の時間も長かった。この睡眠段階でみられる紡錘形の脳波が律動的に出現する「睡眠紡錘波」という脳波のパターンも、ロッキングベッドで寝た場合のほうが長引く傾向があった。

 研究チームは今後、長時間の睡眠でも「ハンモック効果」がみられるか調べるほか、不眠症治療への応用も探っていきたいと話している。(c)AFP