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ストレス阻害物質に発毛効果を発見、米実験中に偶然

2011年2月17日 15:47 発信地:ワシントンD.C./米国

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ストレス阻害物質に発毛効果を発見、米実験中に偶然
上段は生理食塩水を1日1回5日間注入後3日が経過した遺伝子組み換えマウス。中段はアストレシンBを5ミリグラム注入後3日が経過した遺伝子組み換えマウス。下段はアストレシンBを5ミリグラム注入後2週間が経過した遺伝子組み換えマウス(2011年2月16日公開)。(c)AFP/UCLA/VETERANS ADMINISTRATION
【2月17日 AFP】ストレス関連ホルモンを阻害するある化合物に、頭髪を再生してくれる可能性を期待できる研究結果が、16日のオンライン科学誌「PLoS ONE」に発表された。

 アストレシンBと呼ばれるこの物質が、脱毛治療で使用されるミノキシジルよりも発毛効果があることが、マウス実験によってわかった。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California at Los AngelesUCLA)と米退役軍人省の研究チームは、アストレシンBの効果を発見できたのは「全くの偶然」だったという。 

 研究チームは、ストレスホルモンの一種、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)を大量に生産するよう遺伝子を組み換えたマウスを使って実験を行っていた。これらのマウスは慢性ストレス状態となり、背中の毛が全部抜け落ちていた。

 実験は、CRF阻害薬が消化器系の機能に及ぼす影響を調べるというもので、米カリフォルニア州のソーク研究所(Salk Institute)が開発したアストレシンBをこれらのマウスに注入した。何ら効果は現れなかったので5日間、同じ実験を続けた時点で終了し、使用したマウスを毛の生えた普通のマウスのいるケージに戻した。

 3か月後、再び実験で使用するためマウスの元に戻った研究者らは、もはや遺伝子組み換えマウスを識別することができなかった。どのマウスも毛が再生してふさふさしていたからだ。そればかりか、毛は加齢とともに白くはならず、色素を保つ働きをしているようにも見えた。

 研究チームは、毛のないマウスにミノキシジルだけを投与する実験を行ったが、毛の再生具合は人間の場合同様、それほど劇的ではなかった。このことはアストレシンBに対する反応もマウスと人間では同様で、人間でも劇的な発毛効果がありうることを示唆している。

 またこの研究は、ストレスに関連したさまざまな病気について、発症や悪化を防ぐ上で役立つ可能性も示しているという。

 なお、マウスで実験を重ねても、アストレシンBに毒性は確認されなかった。臨床試験を5年以内に実施できる可能性があるという。(c)AFP/Jean-Louis Santini
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