【1月7日 AFP】前週発表された2016年リオデジャネイロ五輪のロゴマークに、盗作疑惑が持ち上がっている。デザイナーは「単なる偶然」と反論している。

 前月31日、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のコパカバーナ(Copacabana)海岸で華々しく発表されたロゴは、ブラジル国旗の緑、金、青の3色があしらわれた3人の人間が手を取り合って輪を作るデザイン。政府主催のデザインコンペを勝ち抜いたデザインエージェンシー「Tatil」が担当した。

 ところが、発表から数時間も立たないうちに、ロゴの独自性を問う声が同国メディアで取りざたされ始めた。

 Tatilのデザイン責任者は雑誌「Terra Magazine」のウェブサイトで、五輪のロゴにフランスの画家アンリ・マチス(Henri Matisse)の「ダンス(The Dance)」と米慈善団体「テルライド財団(Telluride Foundation)」のロゴに「似た要素がある」と認めたが、意図的なものではないと主張した。

「厳格な審査によって世界中の知的所有権と照らし合わせた。国際五輪委員会も6週間かけて、他のロゴと重なっていないかチェックした」「似て見えるのは、人間が輪になって踊るのは世界共通のシンボルだからだ」(同責任者)

 マチスの「ダンス」は、5人の裸婦が手に手を取り合い輪になって踊る様子を描いている。一方、テルライド財団のロゴは、4色の人影が円形に手をつなぐ意匠だ。

 Tatilのデザインチームはウェブサイトで、ロゴはリオを象徴するシュガーローフ山(Sugarloaf Mountain)から着想を得たものだと説明している。(c)AFP