【3月4日 AFP】韓国科学技術院(KAIST)は4日、2件の論文捏造(ねつぞう)の疑いで、金泰国(キム・テグク、Kim Tae Kook)教授に対する調査を開始したことを明らかにした。

 2つの論文は「A Magnetic Nanoprobe Technology for Detecting Molecular Interactions in Live Cells(生細胞における分子間相互作用を検出する磁気ナノプローブ技術)」 、「Small Molecule-Based Reversible Reprogramming of Cellular Lifespan(小分子を用いた細胞寿命の可逆的リプログラミング)」 と題され、それぞれ2005年7月にサイエンス誌(Science)、2006年7月にネイチャー・ケミカルバイオロジー誌(Nature Chemicalbiology)に掲載された。

 これらの研究には、正常な細胞に損傷を与えることなく癌(がん)細胞を発見・破壊する方法を見いだし、細胞の老化を防止して寿命を延ばす物質の開発につながるものとして、期待が寄せられていた。

 KAISTは2月29日から2日間にわたり、金教授の論文捏造疑惑について、真相解明に向けた会議を開催。今後の調査次第で同教授に対する処分を決定するとしている。

 両論文の捏造疑惑を受け、すでにKAISTは前週、金教授を停職処分にしている。(c)AFP