【1月22日 AFP】妊娠初期に毎日大量のカフェインを摂取すると流産の危険性が高まるとの研究成果が21日、米の産科学と婦人科学の専門誌「American Journal of Obstetrics and Gynecology」(AJOG)に発表された。

 完全に流産の危険性を避けるためには、妊婦はいかなるカフェイン入りの飲料も妊娠5か月が過ぎるまでは摂取すべきではないという。

 妊婦が日常的に大量のカフェインを摂取することが胎児を危険にさらすという考えは新しいものではない。従来の研究でも、1日3杯のコーヒー(カフェイン300ミリグラム分に相当)を飲むと、全くカフェインを取らない場合に比べて流産の危険性が高まることが示されている。

 一方で、健康な妊娠をしている女性はつわりのためコーヒーやカフェインを避ける傾向があることから、これらの研究結果はゆがめられているとの批判もある。

 この問題の真相を探るため、米健康保険会社カイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)の研究チームは1996年10月から1998年10月まで、妊娠前と同量のカフェイン入り飲料を妊娠後も飲み続けた1063人の女性を追跡調査した。

 結果は、流産の危険性は毎日のカフェイン摂取量に比例することが明白に示された。

 1日に200ミリグラム以上のカフェインを摂取する女性は、全くカフェインを取らない女性に比べ、流産の確率が2倍になることが分かった。200ミリグラムのカフェインは、約220
ミリリットルのカップで2杯分のコーヒー、または350ミリリットル缶入り炭酸飲料5本分に含まれる量に相当する。

 研究では妊婦が安全に摂取できるカフェインの量は示されていないが、著者の1人はカフェイン摂取量は、流産を防ぐために妊婦が自分の意志でコントロールできる数少ないリスク要因であることから、安全策をとることを勧めている。

 カフェインはたやすく胎盤を通過できる一方で、発達下にある胎児の代謝機能では容易に代謝できないことから、科学者らの間ではカフェインは胎児に有害だと考えられている。また、血管を収縮させ、胎盤への血流を減少させるという悪影響もあるという。(c)AFP/Louise Daly