【7月1日 AFP】イスラエルの高等裁判所は1日、モシェ・カツァブ(Moshe Katsav)大統領(61)が司法取引で回避した強姦(ごうかん)罪の罪状認否を検察当局に求め、同大統領の強制わいせつ罪での起訴を遅らせることを命令した。

 今回の決定は女性団体などが、同大統領の司法取引に対し申し立てを行ったことがきっかけ。5人の子どもの父親であるカツァブ大統領は26日、司法取引に署名。一連の強制わいせつ罪を認めたものの、強姦罪については否定した。これにより、服役は免れるとみられていた。

 今回の司法取引で同大統領は執行猶予付きの有罪判決となり、被害女性に1万1000ドル(約135万円)の賠償金を支払うことに合意したが、投獄と強姦罪は回避した。警察当局から検察側に1月に提出された起訴状には強姦罪が盛り込まれていた。

 最初の原告「A」さんは、同大統領が1990年代後半務めていた観光相時代の部下。「A」さんはスキャンダル発覚後、2回目となるイスラエル軍ラジオ放送のインタビューに答えた。「彼は6か月間、わたしを取り込むために、ほめ言葉や情熱的な言葉、プレゼント、不適切な態度、間接的な脅しなどでわたしにつきまといました。惨めでした」と語った。

 カツァブ氏は、2000年から7年間大統領を務めた。後任の第9代大統領には、ノーベル平和賞の受賞者でもあるシモン・ペレス(Shimon Peres)氏が選出されている。(c)AFP