【ソウル/韓国 8日 AFP】ソウルで7日、数千人の人々が集結し、議会に対して米国との間で締結された自由貿易協定(FTA)を承認しないよう呼びかけた。

 人々は横断幕や旗を手に取り、「米国産の牛肉は必要ない。ブッシュ(米大統領)にやればいい」などと叫び、協定の破棄と盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領の辞任を求めた。

 全国民主労働組合総連盟(Korean Confederation of Trade Unions、KCTU)のLee Suk-Haeng代表はデモ開始前の演説で、「FTAの下では我々に未来はない」と述べた。同代表によれば、総連盟の構成員は現在80万人に達しており、2006年9月より議会に対して協定を批准しないことを求めるキャンペーンを展開してきたという。

 警察の機動隊数千人が配備され、米国大使館や大統領官邸へと続く交差点はバリケードで封鎖されている。これまでに衝突が発生したとの情報はない。

 10か月にわたって続けられてきたFTA交渉の中では米国産牛肉が最大の焦点となっていたが、牛肉市場の完全解放については不透明なままでの合意となっている。

 今回締結された米韓自由貿易協定は、米国にとっては1993年の北米自由貿易協定(NAFTA)以来の規模となったが、韓国国内では、地方で農業に従事する人々などから将来を不安視する声が上がっている。

 写真は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領のポスターを破くデモの参加者。(c)AFP/CHOI WON-SUK