東証、 日興を上場維持、予想外の決定 - 東京
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【東京 12日 AFP】不正会計問題が発覚した日興コーディアルグループについて、東京証券取引所は12日、株式上場を維持すると発表した。この予想外の決定で、すでに発表済みの米金融最大手シティグループ(Citigroup)による日興の株式公開買い付け(TOB)にも影響が出るとみられる。
東証は同日、日興に対し注意勧告を発し、2週間以内に情報開示体制を改善する実施計画の提出を求めた。しかし、より厳格な罰則として予測されていた上場廃止には踏み込まなかった。日興株は不正会計が明るみに出た2006年12月以降、上場廃止の恐れがあることを投資者に周知させる「管理ポスト」に割り当てられていたが、この措置も解除される。
記者会見した東証の西室泰三社長は、日興の行為が不適切だったことは確かだが「不正が組織的・意図的に行われたとまでは判断できなかった」と述べた。
一方、東証での上場維持決定を受け、証券アナリストたちは、シティグループが発表した買い付け総額約1兆2500億円のTOBに、投資家らの支持が集まりにくくなると予測する。すでに日興の大株主らからは、シティグループの買い付け額が低すぎるとの声があがっていた。
米格付け会社スタンダード&プアーズ(Standard and Poor’s)の根本直子マネジング・ディレクターは、「この件に関しては透明性が欠如していたが、(東証の発表によって)それが解消されたことで、(シティグループの)買い付け価格(1株1350円)は低すぎる、という市場心理が働いている」と述べる。
コスモ証券の東健一ストラテジストは、市場はシティによるTOBが失敗すると予想していたという。東証の日興株上場維持の発表直前、12日の日興株は6円下落し、1株1404円で引けた。
西室東証社長は、国内メディアが日興の上場廃止を示唆する報道を一斉に展開したことに触れ、投資家の不安を誘い、東証の証券業務の見通しに支障が出かねないと批判した。
写真は12日、東京の日興コーディアル本社前。(c)AFP/Toru YAMANAKA