【北京/中国 28日 AFP】国営の中国中央テレビ(CCTV)が、国内少数派のイスラム教徒に配慮して、広告に使用されている豚の映像を一切禁止した。中国では2007年の干支が豚なだけに、看板や広告、販促グッズなど、街のいたるところに豚の絵があふれている。

 公式統計によると、中国国内のイスラム教徒の人口は約1800万人。中国中央テレビ関係筋は匿名で「国営放送という立場上、必要以上にイスラム教徒の感情を刺激するのを避けるため、豚の映像や文言を一切禁止している」と語った。

 アニメの豚が登場するCMの放映を予定していた食品大手のネスレ(Nestle)も、国営放送の反対で放映を断念している。同社広報担当によると、ネスレは放送局から「政府の指導に基づくイスラム教徒への配慮措置」と説明を受けたという。ただ同広報担当は「大きな問題ではない。他の絵に変えるまでだ」と前向きに語っている。

写真は10日、豚年のお飾りを付けている人。(c)AFP