【カラカス/ベネズエラ 13日 AFP】ベネズエラとイランは13日、原油価格の急落に歯止めをかけるため、新たな減産を石油輸出国機構(OPEC)加盟各国に呼びかけた。

■OPEC加盟国首脳に「体制強化」アピール

 ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は、訪問中のマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)イラン大統領との共同演説で、「過剰供給による原油価格の急落に歯止めをかけるため、新たな減産決定を支持する」と発言。
「全OPEC加盟国首脳に体制強化を訴えるメッセージを送っている」ことを強調した上で、「ベネズエラとイランは引き続き行動をともにする」と両国関係をアピールした。

 両大統領は油田開発から生産、輸送までを一括して担う国際石油企業の設立を含む、11の合意文書に調印した。

 年初から14%と大幅に下落した原油価格に対し、OPEC加盟各国は懸念を示している。緊急会合が開催されるとの憶測が広がりつつあるが、各国閣僚の発言は足並みがそろっていない。

■足並みそろわぬアラブ諸国

 アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ダーレン・ハミリ(Mohammed bin Dha’en al-Hamili)エネルギー相は11日、「緊急会合の開催はまだ決まっていない」と述べた。

 クウェートのAli Jarrah al-Sabahエネルギー相は、「すでに採択した2月からの減産決定を尊重する」と緊急会合開催への反対を表明。「OPEC加盟国の大半は現段階での緊急会合開催を望んではいない。アブジャ(Abuja)の会合で我々は既に減産決定に合意している」と語った。

 OPEC加盟各国閣僚らは、前月ナイジェリアのアブジャで開催した総会で2007年2月から日量50万バレルの追加減産を実施することで合意している。2006年11月の日量120万バレル減産に続く決定である。

 しかし、北半球における暖冬の影響による消費量低下と、米国産原油供給量増加のあおりを受け、原油価格の急落が続いている。

  写真は13日、カラカスの大統領官邸で挨拶を交わすチャベス大統領(左)とアフマディネジャド大統領。(c)AFP/Marcelo Garcia - Presidencia