【8月15日 AFP】社会進出を果たした女性への攻撃が相次ぐアフガニスタンで、女性議員が旧支配勢力タリバン(Taliban)とみられる武装グループに拉致されたと政府関係者らが14日、明らかにした。

 事件が起きたのは10日。ガズニ州(Ghazni)のカンダハル(Kandahar)から首都カブール(Kabul)に通じる幹線道路で、ファリバ・アフマディ・カカール(Fariba Ahmadi Kakar)議員と男女3人の子どもたちが銃で武装した集団に連れ去られた。

 ガズニ州のモハマド・アリ・アフマディ(Mohammad Ali Ahmadi)副知事がAFPに語ったところによると、治安部隊による救出作戦でカカール議員の子どもたちは12日に救出されたが、議員は別の場所に拘束されたままで、議員の居場所を追っているという。

 またアフマディ副知事は、地元の長老らがカカール議員の解放について武装グループと話し合っていると明かした。同議員を拉致した集団の詳細については副知事は触れていないが、武装グループとの協議に関与している長老の1人は、犯行グループは地元のタリバン系組織だとAFPに語った。拉致の目的は身代金とアフガニスタンの刑務所に収容されている仲間4人の釈放だという。

 アフガニスタン議会広報によると、同国で議員が拉致されるのは男女を含めて10年ぶりだという。

 アフガニスタンで公務につく女性は常に身の危険にさらされている。保守的なイスラム教徒の多くが、女性が家の外で働き独自にキャリアを築くことを快く思わないためだ。(c)AFP/Rahmatullah Alizad