【7月17日 AFP】国連(UN)は16日、内戦が続くシリアでは月に5000人が死亡しており、1994年のルワンダでの大虐殺以降、最悪の難民危機を生み出していると発表した。

 多数の国連高官が、シリア問題で意見対立が続く国連安全保障理事会(UN Security Council)に対し、同国の窮境に対応するためより踏み込んだ措置を講じるよう求めた。この内戦はすでに26か月続いており、国連によると死者数は10万人にも上るとされる。

 またアントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連難民高等弁務官(UN High Commissioner for Refugees)は、シリアの周辺諸国に逃れた180万人近くが国連に難民登録されており、現在も1日平均約6000人のペースで増え続けていることを明らかにした。「国外へ流出する難民がこれほど恐ろしいペースで急増しているのは、20年前のルワンダ大虐殺以来だ」と話している。ルワンダでは1994年に、フツ人による集団処刑から逃れようと200万人以上が国外へ逃亡した。

 またグテーレス氏は、レバノン・イラク・ヨルダンをはじめとする近隣諸国が難民受け入れの姿勢を示していることで「数十万人の命が救われている」とも述べた。(c)AFP/Timothy WITCHER