【1月24日 AFP】2008年の中東和平交渉でパレスチナ側が、占領地の東エルサレム(East Jerusalem)に建設されたユダヤ人入植地の大半のイスラエル領への併合を認める提案をしていたことが「機密資料」によって明らかになったと、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)が23日報じた。

 アルジャジーラは、米国仲介の中東和平交渉におけるパレスチナ側の内部機密資料約1600点を入手したとし、これらの「パレスチナ・ペーパーズ(Palestine Papers)」によって判明した「衝撃的な事実」として、パレスチナ側交渉団が東エルサレムに既に建設されたユダヤ人入植地とユダヤ人地区、アルメニア人地区の一部をイスラエル領に組み入れることを認める譲歩案を提示したと伝えた。

 また、イスラム教の聖地「岩のドーム(Dome of the Rock)」と「アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)」が建つ旧市街(Old City)の「神殿の丘(Temple Mount)」の帰属についても、譲歩を示したとしている。

 譲歩案は08年6月、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官(当時)とイスラエルのツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相(当時)、パレスチナ自治政府のアフマド・クレイ(Ahmad Qorei)元首相、パレスチナ解放機構(PLO)のサエブ・アリカット(Saeb Erakat)交渉局長が出席した会合で提示されたという。

 この際、クレイ元首相は「この提案は(パレスチナとイスラエルとの)土地交換プロセスを進展させるだろう」と語ったとされるが、「イスラエル側は、この歴史的な提案に対する見返り案を提示せず、エルサレム問題を協議することさえ拒否」したという。

 英紙ガーディアン(Guardian)も同じ機密資料をアルジャジーラから入手したとして報じた。

 一方、アリカットPLO交渉局長は、パレスチナ指導部は「何ら隠し事はしていない」と反論するとともに、アルジャジーラの報道について「ほとんどはウソのかたまりで信ぴょう性に欠ける」との見方を示している。(c)AFP