【6月1日 AFP】イスラエルは1日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ支援物資などを運んでいた船団をイスラエル軍が強襲したことについて、ガザに接近する支援船があれば今後もガザ入りを阻止するとの声明を発表した。

 事件は5月31日、イスラエルが封鎖しているガザ地区に向かっていた支援船団がイスラエル軍に攻撃され、トルコ人を中心とする乗組員らが死傷したもの。

 事件をうけ、支援団体「Freedom Flotilla」は、再び支援船2隻をガザに送る準備を進めていることを明らかにした。

 これに対し、イスラエルのマタン・ビルナイ(Matan Vilnai)副国防相は公共ラジオを通じて「ガザはイスラエルの中心の安全を脅かすテロリストの基地になっている。支援物資を運ぶ船は一切ガザに入港させない」と断言した。

 一方、国際人権団体「フリー・ガザ・ムーブメント(Free Gaza Movement)」のグレタ・バーリン(Greta Berlin)氏はAFPの取材に対し、新たな支援船を送る動きは今後数日間はないだろうとの見通しを示した。

 イスラエル公共ラジオが1日報じたところによると、イスラエルは急襲作戦でパレスチナ支援活動家480人の身柄を拘束した。480人は南部の港湾都市アシュドッド(Ashdod)の刑務所に拘留されている。このほか、48人をベングリオン国際空港(Ben Gurion International Airport)から国外に追放するという。

 また31日の支援船強襲で負傷したトルコ人を中心とする活動家45人が、各地の病院で手当てを受けている。この事件では多数のトルコ人が死亡しており、トルコ政府は駐イスラエル大使を召還。トルコの各都市でイスラエルへの抗議デモが発生するなど、イスラム圏のなかではイスラエルに最も近い関係にあったこともあるトルコとイスラエルの関係は急激に悪化している。(c)AFP/Hazel Ward