【6月22日 AFP】イラク北部の都市キルクーク(Kirkuk)の南30キロにある、イスラム教シーア(Shiite)派のトルクメン人が多く暮らす街Taza Kharmatuで20日起きた自爆攻撃の犠牲者は72人に達し、過去16か月で最悪の被害規模となった。

 米軍のイラク都市部からの撤退を目前に控えた中での今回の攻撃で、現場付近の多数の家屋が倒壊するなどしており、現在も救出活動が続けられている。

 キルクーク郊外を管轄する地元警察高官は、「Tazaでの爆発による死者は72人に達した」と述べるとともに、負傷者は200人以上であることを明らかにした。また、キルクークの医療関係者は、「捜索活動がまだ終わっていないため、死者数は増える可能性がある」と語った。

 自爆攻撃は、シーア派のラスール(Al-Rasul)モスクから約400メートル離れた場所で起き、現場には大きなクレーターができた。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力の関与が取りざたされている。

 現地では、地元の救助隊員や米軍兵士が爆発によって崩壊した約80棟の家屋を捜索し、生存者の発見に全力を挙げている。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)はキルクークの病院に大量の医療品を送ったほか、米軍も投光器や水などを提供したという。

 一方、イラク当局は、首都バグダッド(Baghdad)とモスル(Mosul)の2都市において、過去2日間で武装勢力によって警察官9人が殺害されたと発表した。また。21日午後には、バグダッド南東部にあるレストラン近くで爆弾が爆発し、2人が死亡したという。

 イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は今月初め、イラク治安部隊の信頼を傷つけるため、武装勢力が今後数週間に攻撃を激化させる可能性に言及していた。(c)AFP/Marwan Ibrahim