【3月31日 AFP】30日にパキスタン東部ラホール(Lahore)郊外で発生した警察学校に対する襲撃事件について、隣国アフガニスタンの旧支配勢力だったイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)のパキスタン国内の活動グループが犯行声明を発表し、今後もこうした襲撃を続け、米国首都に対する攻撃も辞さないと威かくした。

 タリバンのパキスタン・グループを率いるバイトゥッラー・メスード(Baitullah Mehsud)司令官は31日、潜伏先からAFPの電話インタビューに答え、12人が死亡した前日の警察学校襲撃は自分たちの犯行だと明かした上で、「パキスタン北西部の部族地域に対して現在米軍が行っている空爆に対する報復だ。これからもこうした報復を続ける」と述べた。

 また米国に対しても「近いうちにわれわれはアメリカに復讐するだろう。しかもアフガニスタンではなく、ワシントンでだ。全世界を驚かせることだろう」と警告した。

 メスード司令官は、2007年のベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元パキスタン首相暗殺の黒幕とも言われ、米政府は懸賞金500万ドル(約4億9200万円)をかけて行方を追っている。

 30日のラホールの警察学校襲撃では、士官候補生7人、民間人1人、武装グループ戦闘員4人の計12人が死亡した。この事件により、部族地域だけでなくパキスタン中心部でも治安が悪化しているのではないかとの懸念が深まった。(c)AFP/Nasir Jaffry