【6月7日 AFP】トルコ軍がイラク北部の「クルド労働者党(Kurdistan Workers’ PartyPKK)」の拠点へ越境攻撃を開始したとの報道について6日、イラク、トルコの両外相と米政府はこの事実を否定した。

■両国が揃って「越境攻撃の報道」を否定

 イラクのホシヤル・ジバリ(Hoshyar Zebari)外相は、「トルコ軍がイラクとの国境地帯に集結しているのは事実」としながらも、越境攻撃については「クルド自治政府や国境警備隊に確認したが、そのような事実はないと聞いている」と否定した。

 トルコのアブドラ・ギュル(Abdullah Gul)外相、および米国家安全保障会議(National Security Council)のゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)報道官も、この越境攻撃の報道を否定した。

■背景にはトルコ政府とPKKの対立の激化が

 トルコ政府は4月以来、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers’ PartyPKK)」に対する大規模な掃討作戦を展開している。こうしたことから、トルコ軍がイラク北部のクルド自治区に侵入したとの憶測が流れたものとみられる。

 イラク最北部のダフーク(Dohuk)州を警備するイラク国境警備隊の司令官は、「トルコ軍は前月、イラク領内に2キロ侵入したものの、すぐに撤退した。それ以来トルコ軍の侵入はない」と語った。

 PKKは、1984年以来、クルド人が多いトルコ南東部の独立を目指してトルコ国内で武装闘争を展開。これまでに3万7000人以上が犠牲となっている。トルコ政府は、そうした武装闘争をイラクのクルド自治政府が黙認しているとの疑惑を深めている。(c)AFP