【10月27日 AFP】韓国のフィギュアスケート選手、金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)は、自身が2010年バンクーバー冬季五輪で金メダルに手が届く距離にいることを自覚している。

 1998年に長野冬季五輪で冬季五輪・個人種目で史上最年少金メダリストに輝いたタラ・リピンスキー(Tara Lipinsky)を見て以来、金は表彰台の一番上に上がることを夢見てきた。

 リピンスキーの金メダル獲得後、国際スケート連盟(International Skating UnionISU)が年齢制限を設けたため、金はトリノ五輪に出場することができなかった。

 金は「1998年から五輪を見続け、その舞台に立つことを夢見てきました。トリノのときは私の誕生日を迎えていなかったので欠場になりました。そして、ついに五輪の舞台に立ち、そこで演技するという私の夢がかないます」と語り、五輪出場のチャンスを逃さないよう決意を固めている。

 2005年のISU世界ジュニア選手権(ISU World Junior Championships)で2位に入り韓国人選手として初めてISUの選手権大会でメダルを獲得し、2007年には世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2007)で銅メダルを獲得した金は、2006年にカナダに練習拠点を置いたことが、大きく自信につながったと考えている。

 カナダ・トロント(Toronto)で金は、1984年のサラエボ冬季五輪と88年のカルガリー冬季五輪の男子フィギュアで銀メダルを獲得したブライアン・オーサー(Brian Orser)コーチから指導を受けている。

 金は、オーサー氏が自身を変え、2009年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2009)での優勝もオーサー氏のおかげだと考えている。金は、オーサー氏について「ブライアンと会ったとき、私はとても内気でした。しかし、多くの出来事、大会を通じて私は変わりました、違う人間になりました」と語っている。

 金は、09-10シーズンのショートプロラム(SP)が新しい人格の実演であることを明かした。

 GPシリーズ第1戦エリック・ボンパール杯(Trophee Eric Bompard 2009)で映画007シリーズのメドレー曲に乗って演技した金は、2008年の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2008)覇者、浅田真央(Mao Asada、日本)らライバル選手よりも輝きを放っていた。

 金は「過去数年はストーリーのある音楽で演技していましたが、今回は音楽そのものを表現してみようと思っています。振付師のデヴィッド・ウィルソン(David Wilson)が007を薦めてくれました。最初に聞いたとき私は『うん、何か違う』と思いました。女子選手が普通に選ぶ音楽ではありません。この選択にとても満足しています」と語っている。(c)AFP/Emmeline Moore

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