【5月22日 AFP】(写真追加、記事更新)サッカー欧州チャンピオンズリーグ2007-08(UEFA Champions League 2007-08)・決勝、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)vsチェルシー(Chelsea)。試合は1-1で前後半90分を終了し延長戦でも決着がつかず、迎えたPK戦を6-5で制したマンチェスター・ユナイテッドが通算3度目のチャンピオンズリーグ制覇を果たした。

 GKエドウィン・ファン・デル・サール(Edwin Van Der Sar)が立役者となり、モスクワの夜の耐え難い展開のPK戦を制したマンチェスター・ユナイテッドがクラブ史上3度目の欧州チャンピオンズリーグ優勝を果たした。

 大方の予想通り、大会史上初のイングランド勢同士の決勝戦は1-1のままPK戦までもつれ込み、マンチェスター・ユナイテッドはGKエドウィン・ファン・デル・サールがチェルシー7人目のキッカー、ニコラ・アネルカ(Nicolas Anelka)のシュートをセーブしてPK戦を6-5で制した。

 この勝利でマンチェスター・ユナイテッドは「ミュンヘンの悲劇」から50年が経過した2008年にプレミアリーグと欧州チャンピオンズリーグのトロフィーを本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)に持ち帰ることとなった。

 マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督(Alex Ferguson)は「これ(ミュンヘンの悲劇から50年後、1968年の欧州チャンピオンズカップ(現欧州チャンピオンズリーグ)優勝)には何かの運命を感じる。これが大きな試合で私が初めて勝利したPK戦だった」と語り、優勝は運命の女神が役割を果たしたものであると信じ込んでいる。

 一方、チェルシーのフランク・ランパード(Frank Lampard)は「ほんの紙一重で負けてしまった。ジョン(テリー(John Terry))がPK戦で滑ってしまった。前半30分以降は我々が完全に試合の主導権を握っていたことは誰も否定できない。ただ、この敗北を認めるしかない」と悔しさを滲ませた。

 PK戦ではマンチェスター・ユナイテッドの3人目のキッカーだったクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のシュートをGKペトル・チェフ(Petr Cech)がセーブしてチェルシーは初優勝を手にする可能性があったものの、5人目のジョン・テリーのシュートはポストに弾かれ、2時間にも及んだ試合でドラマティックな幕引きの勝利を目前にしていたチェルシーにとっては過酷な結果だった。

 また、延長後半終了間際には両チームの選手が入り乱れた小競り合いの中でマンチェスター・ユナイテッドのネマニャ・ビディッチ(Nemanja Vidic)の顔を軽く叩いたチェルシーのディディエ・ドログバ(Didier Drogba)がレッドカードを受けて退場しており、これがなければテリーがPKを蹴ったかどうかで議論の余地がある。(c)AFP/Angus MacKinnon