【5月1日 AFP】米大リーグ(MLB)ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が、近日発売される本で高校時代とヤンキースに移籍してからもステロイドを使用していた可能性を記され、同選手の名声を揺るがす新たな疑惑が生まれた。

 ニューヨーク・デイリーニューズ(New York Daily News)紙は、12日にハーパーコリンズ(HarperCollins)から出版される米スポーツ誌、スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)のセレーナ・ロバーツ(Selena Roberts)記者の著書「A-ロッド(A-Rod)」で、同選手の新たな疑惑が主張されているとしている。

 ロドリゲスは2009年2月、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)時代の2001年から2003年にかけて薬物を摂取していたことを認め、すでに疑惑の渦中にある。

 新たな疑惑の口火を切ったロバーツ記者は、元選手や知人の証言からロドリゲスの運動能力向上薬物への関与は早い時期に始まり、かなり後まで続いたことは明らかだとしている。

 同書で元メジャーリーガーのホセ・カンセコ(Jose Canseco)氏は、1年で体重が11.3キログラム増えたマイアミ(Miami)の高校時代からロドリゲスのステロイド使用が始まったと語り、ニューヨーク・デイリーニューズ紙はカンセコ氏が「私は彼が18歳のころ一緒にトレーニングした。私とほぼ同じ重量を持ち上げられたよ」と語ったと伝えている。

 またロバーツ記者は、高校時代のチームメイトの証言から、当時のコーチもロドリゲスのステロイド使用を知っていたとしている。

 ニューヨーク・デイリーニューズ紙によると、あるヤンキースの職員が「(薬物使用について)これまで誰もアレックスに直接聞いたことがないのは知っているが、クラブハウスには多くの疑わしい物があった」と語ったとされている。

 アリーグMVPに3度輝いているロドリゲスは、臀部(でんぶ)の手術からの復帰を急いでおり、5月中旬までチームに合流しないものと見られている。(c)AFP