【10月6日 AFP】海上保安庁は6日、沖縄・尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)周辺の接続海域を航行していた中国の漁業監視船2隻が同日未明までに同水域を離れたことを確認したと発表した。この監視船は、中国漁船の保護を理由に、前月23日から同水域で航行や停泊を続けていた。
 
 尖閣諸島付近では前月7日、中国漁船と海保巡視船が衝突し、日本側が翌8日に中国人船長を逮捕したことを機に、中国側が閣僚級の交流を停止すると宣言するなど、日中関係の悪化を招いた。

 一方、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)で4日、アジア欧州会議(Asia-Europe MeetingASEM)に出席した菅直人(Naoto Kan)首相と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相との会談が短時間ながらも実現。両首脳はいずれも尖閣諸島の領有権を主張したものの、現在の日中関係は望ましい状態ではないとの見方で一致した。

 だが、仙谷由人(Yoshito Sengoku)官房長官は6日午前の定例記者会見で、監視船の撤退がブリュッセルでの日中首脳会談を受けたものなのかについては明言を避け、今後も警戒活動を続ける意向を示した。(c)AFP/Hiroshi Hiyama