【7月22日 AFP】1989年に銃殺されたルーマニアのニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)元大統領とエレナ(Elena Ceausescu)夫人のものとされる遺体が21日、ブカレスト(Bucharest)の軍事墓地から掘り起こされた。

 遺体が本人たちのものではないと疑ってきた親族の求めに応じたもので、DNA鑑定を行う。鑑定のためのサンプルを採取後、2体は元の場所に埋められた。

 チャウシェスク元大統領は1965年から共産主義体制下で独裁体制を敷いたが、1989年12月に失脚。同25日、「特別軍事法廷」は夫妻に死刑を宣告し、銃殺した。だが、その埋葬の経緯から、遺体の身元については疑惑がつきまとっている。

 目撃者の話によると、大統領を失脚に追い込んだ組織の指導者らは、銃殺当日の夜に、墓が荒らされないよう別人の名前を記した十字架の下にこっそり埋葬したという。

 今も存命のバレンティン(Valentin Ceausescu)さんを含めた3人の子どもたちは、埋葬されているのが両親なのかを確認するよう当局に求めてきたが、その願いは却下され続けてきた。

 鑑定結果は数か月後に出る見込みだが、ある親族は、夫妻のものと確認された場合は正式な埋葬式を執り行うつもりだと語った。夫妻のものではないと判明した場合は、真実を隠していたとして、当局を訴えるつもりだという。(c)AFP/Anca Teodorescu