【5月5日 AFP】韓国の聯合ニュース(Yonhap news)は5日、政府筋の話として、北朝鮮が韓国との軍事境界線沿いに特殊部隊約5万人の配備を完了したと報じた。

 聯合ニュースによると、北朝鮮は2~3年前から軍事境界線付近に各7000人規模の7個師団の配備を進めていたという。また、「北朝鮮が限定戦争のための特殊部隊を潜入させてくる可能性が現実味を帯びてきた」という複数の韓国の国防省高官の話も伝えた。

 韓国と北朝鮮の関係は、3月26日に韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が爆発・沈没し46人が犠牲となった事故以後、悪化している。

 李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は4日、軍の参謀総長ら150人を招集して初の「全軍主要指揮官会議」を開き、北朝鮮の特殊部隊軍団の能力について協議した。

 李大統領は、会議のなかで哨戒艦沈没への北朝鮮の関与を示唆し、特殊部隊を含む北朝鮮からの軍事的脅威への対応の見直しを指示した。

 韓国国防省は2008年に、北朝鮮はイラク戦争を機に軽歩兵部隊を増強して市街戦能力を高め、夜間や山岳地帯での戦闘訓練を行うなどして特殊戦能力を強化させているとの報告書を出している。また北朝鮮が持つ18万人規模の特殊部隊について、韓国に対する様々なタイプの攻撃を想定した部隊と説明している。(c)AFP