【11月12日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は首都モスクワ(Moscow)のクレムリン(Kremlin)宮殿で12日、就任後2度目となる年次教書演説を行い、すべての分野において民主主義的な価値観や機構を通じた近代化を目指すと述べ、経済については資源を主とする輸出産業を多様化し、なかでもハイテク分野に力を入れるべきだとの考えを示したほか、経済分野での国の役割を縮小させるべきだと述べた。メドベージェフ大統領は今回の演説で、プーチン政権の主だった遺産を解消する姿勢を示したとも受け取れる。

 メドベージェフ大統領はロシアの「国家企業」という言葉を使い、現在ロシア経済に大きな影響力をもつ数々の巨大な国営事業体は「将来性がない」と厳しく断じ、「非効率的な企業は清算し、一方で競争力のあるものについては政府管理下の株式会社に転換させるべきだ」と論じた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は最前列で演説を聞いていた。

 プーチン首相が前任の大統領だった2000~08年に創設された国営事業体は、自動車製造業や航空産業、ナノテクノロジー、核エネルギー、軍需産業などを監督した。評論家らによると、このような企業は構造の透明性に欠け、各社のトップに立つプーチン氏の側近たちに強大な権力を与えているという。

 また、一度は急騰した原油価格が急落したためにロシア経済が収縮したことに言及し、国際的な経済危機でロシア経済に徹底した改革の必要なことが「いっそう明らかになった」と強調した。(c)AFP/Alexander Osipovich